トスカーナの豊かな自然に育まれるイタリアワインの至宝オルネッライア。
創業は1981年と比較的歴史は浅いものの、2001年、ワインスペクター誌のワイン・オブ・ザイやーに選出、デキャンター誌によりワイン・レジェンドを授与されるなど、最高醸造責任者アクセル・ハインツが手がけるワインは世界のワイン通の目を輝かせる。
そのオルネッライアが2006年から始めたプロジェクトが「ヴェンデミア・ダルティスタ」。
オルネッライアのヴィンテージの特徴を表す言葉が付けられ、その言葉をアーティストに託しアートボトルを製作する、ワインとアートの美しき融合である。
さらにオルネッライアは2009年から毎年「ヴェンデミア・ダルティスタ」をサザビーズの慈善オークションに出品、ワインを通して社会貢献を行っている。3年前からオークションで得た収益は全てソロモン・R・グッゲンハイム財団が主催する視覚の不自由な人々がアートを楽しむための「マインズアイ・プロジェクト(Mind’s Eye Poject)」に使われ、その総額はこれまで200万アメリカドルを超えている。
この春リリースされる「オルネッライア2019」のヴィンテージを表す言葉は「イル・ヴィゴーレ(力)」。
自然のエネルギーや醸造チームの力、ワインのもつ力を意味する。
選ばれたアーティストはスウエーデンのナタリー・ユールベリとハンス・ベリの二人。
<オルネッライア2019のキーワード、「イル・ヴィゴーレ(力)」を表現したナタリー・ユールベリとハンス・ベリ。2人は2013年、金沢21世紀美術館で作品が展示されるなどスウエーデンを代表するアーティスト>
二人は750mlラベルに指で地球をなぞるデザインを施した。ワインを表す地球に好奇心を抱いた人間の指であるが、現代アートはコンセプト・ビハインドを探るのも興味深い。視覚の不自由な人が指先でアートに触れ、作品を鑑賞しているという解釈も可能だ。マインズアイ・プロジェクトにつながる。
6リットル、9リットルのボトルには太陽に向かって伸びてゆく植物の力がみなぎり、芳醇でボディを感じるワインの味に連動している。
ソロモン・R・グッゲンハイム財団によれば、オルネッライアの支援により、高度なデジタル技術の導入ができ世界の人々がグッゲンハイム美術館へのヴァーチャルヴィジットが可能になったという。
今年のオークションは10月にオンラインにて開催予定。もちろん日本からも入札が可能だ。
ワインコレクター、アートコレクターが競って落札し、その収益が誰かの助けとなる。
「ヴェンデミア・ダルティスタ」はオルネッライアが中心となり、アーティスト、サザビーズ、ソロモン・R・グッゲンハイム財団、それぞれの立場から人々を結びつける目に見えない大きな力となっている。
お問い合わせ
オルネッライア コミュニケーション・マネジャー
(英語、イタリア語)
Ornellaia Communication Manager
Ms. Elena Oprea
Tel +39 348 465 7945
text by Harumi KONO